予想外!? 金融緩和の終わりで市場が混乱 2013年を振り返る 【テーパータントラム】


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みなさん、こんにちは! マネーの育成術へようこそ!
この記事を開いてくれてありがとうございます。

2020年6月現在は、コロナウイルスの第2波、第3波が懸念されており、そして、経済の回復を推し進めるために各国の中央銀行が、債券を大量に購入したり、債券の利回りを一時的に大きく下落させたりしています。つまり現在は世界中で、日本が今までやってきた金融の量的緩和を行っています。しかも、その規模たるや、今までにないほどの大きさです。

 

さて、こうした大規模の金融緩和のおかげもあって、株式市場はかなり回復してきました。アメリカの代表的な株価指数であるS&P500は、暴落が起きる直前の最高値3393ポイントに対して、一時期2191ポイントまで下落しましたが、6月17日現在では3113ポイントまで回復してきました。TOPIXに関しても、暴落する前は1747ポイントで、暴落直後は1199ポイントまで下落しましたが、現在では1569ポイントまで回復しました。このように実体経済は大打撃を受けているにもかかわらず、株価はそれとは逆に大きく上昇してきました。

 

この株価の異常なまでの上昇には、大規模な金融緩和の影響が非常に大きくかかわっているはずです。このような状況において、一番注意しなければならないのは、この金融緩和がいつどのようにして終るのかということです。

 

さて、今回の記事では、この金融緩和の終焉について書いていこうと思います。実は、この金融緩和をやめる可能性を示唆した時があり、その時には市場がちょっとした混乱に陥ったことがあるんです。

それが2013年5月の出来事でした。そして、その出来事をテーパータントラムと言います。




さて、この時何が起きたのか?

時のFRB議長である、バーナンキによってFRBの資産購入ペースを小さくする可能性を示唆した発言がありました。それを受けて、金融緩和の縮小に関して織り込んでいなかった市場は、突然の金融緩和縮小発言に驚き、様々なリスク性資産が大きく売られました。そして、同年7月にニューヨーク連銀の総裁により、「短期金利の引き上げは遠い将来になる見込みが大きい」という発言がされるまで株価指数は下がり続けました。この時のMSCIコクサイインデックスと、新興国株式、そして新興国債券の価格は、それぞれ13%、19%、14%下落しました。以下のグラフは、2013年のそれぞれの指数に関して、1月4日の価格を100としてその後の推移を表したものです。

さて、この図を見ていただければある程度はわかるかもしれませんが、このFRBによる発言があった5月までは、価格推移に関して大きな違いはありませんが、それ以降特にニューヨーク連銀の総裁による発言以降の動きに関しては先進国と新興国に関して大きな違いが出てきていることがわかると思います。先進国株式はそれ以降しっかり回復して、年内には年度内差高値を更新していますが、一方で新興国については株式がかろうじて年内に年度内最高値に近づいたという印象ですが、株債券共に年度内最高値には程遠いです。実はこの新興国の経済の状況から説明することができます。新興国経済が成長していくためには基本的には貿易が欠かせません。日本が先進国の仲間入りを果たした20世紀後半における高度経済成長やそれに続くバブル経済において、日本経済が発展していったのは、安価な労働力を活用した加工貿易でした。現在の新興国の経済成長も同じ傾向があります。このように貿易で経済成長していくわけですから、貿易を行うためには、基軸通貨であるドルが必要です。そのため、新興国通貨は対ドルの依存度が高いのです。そして、ドルを調達するためには、対外債務や資産を持つ必要があります。そのため、債券の利回りが上昇すると新興国経済には大きな痛手になる場合があります。そのため、米国債の利回りが上昇する可能性があることが起きると、新興国の株や債券指数が大きく下落するのです。

ちなみ、日本の株式市場においての反応を見てみると、2013年5月から、同年7月の動き方に関して22%近くも下落していたので、確かに、大暴落と言われるもので、市場関係者の多くが、このテーパータントラムに関して不安がるのはわかります。このテーパータントラムによる米国債券の利回り上昇、米国の金融緩和縮小はどのような市場においても一時的には大きな損失を出す可能性もあります。なので、出来ることなら価格が下がる前に売却して、価格が下がったときにまた購入するという方法をとりたいです。しかし、このような方法をとることは実際には難しいです。少なくとも中長期の投資家で、国内を含む先進国株式で運用を行っている投資家にとっては、損失を出しているからと言ってやめずに、そのまま続けた方が良いでしょう。

なにせ、この米国の金融緩和縮小による株価下落とその余波が続くことは、対米債務を多く抱えている新興国に起きやすいことなのですから。

また、FRBも現在コロナウイルスの感染拡大について、懸念を払しょくできない状況が続く限りは経済回復のめどが立たないとして、金融緩和縮小を行わないと考えられます。逆に言えば、FRBや日銀がこのような状況下において金融緩和を縮小するような発言をした場合には、株が大きく下落して実体経済が回復しない限りは、株も回復しない時期が続くかもしれません。




今回の内容は以上です。最後まで読んでくれてありがとうございます。
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