中長期での投資におすすめ! インド経済の成長性


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みなさん、こんにちは。私が保有している投信で利益が出ていたものにインド株式に投資をする投資信託があります。インドの経済と聞くとどういうイメージをお持ちですか? 最近では数学に強い人材がシリコンバレーで非常に活躍しているという良いイメージがある一方で、貧富の格差が非常に大きくて経済的に安定していないのではないかというイメージがあると思います。今回はその投資信託の特徴と、インド経済に関する概観、今後の見通しなどに関して書いていこうと思います。

Contents

●投資信託に関して

 私が保有している投資信託は、「ノーロード・インド株式フォーカス」というファンドです。現在では、以前の記事でも書きましたが、10万円の投資に対して、約2%の評価益が出ています。この投資信託の特徴ですが、インド株式に主に投資しており、その割合は98%以上です。そして、主に金融業と情報産業の銘柄に投資をしており、その割合は約半分です。

 前回の記事で書きました「ドバイ・アブダビ株式ファンド」は投資配分のうち25%が「ファースト・アブダビ・バンク」に投資をしており、非常にその銘柄の影響を受けやすいファンドでしたが、今回紹介するファンドは最も大きい投資割合の銘柄でも約9%前後で、1銘柄の値動きがファンドの価格の値動きに及ぼす影響力はそこまで大きくないです。それでも先進国株式のインデックスファンドと比べた時に市場規模は小さいので、価格変動リスクは大きくなっています。さらに、ドバイ・アブダビでは運輸業や不動産業への投資割合が大きいのに対して、当該ファンドでは、情報産業への投資割合が大きくなっています。

 

●インドの政治的経済的面に関する概観

 インド経済というと、現在は著しく人口増加をしております。IMFのレポートによると、2020年までには中国の人口を抜き世界最大の国になるといわれています。以前は、イギリスの植民地であったことの歴史から、閉鎖的な経済が構築されていました。しかし、1991年の経済危機をきっかけにIMFによって、開放的な経済が敷かれるようになりました。その後、農耕を中心とした経済基盤でしたが、現在では情報産業を中心とする単価の高い産業が成長しています。ただ、インド経済は日本経済と同じようにエネルギー産出国ではなく、原油輸入に依存度が高い企業です。なので、現在のように原油価格が下がり傾向にあるときには、非常に安定的な経済を敷くことができますが、原油価格が高騰した場合には経済が非常に不安定になってしまいます。

 また政治的側面においては、法的にはカースト制度が廃止されたものの、習慣的にはこの制度が存続しています。カースト制度はインド独自の身分制度で、簡単に説明すると、もし親が農業を職業にしているのであれば、その子は農業にしかつけないというものです。インド社会においては職業における縦の移動がほとんどない習慣的に閉鎖的な社会になっています。しかし、その習慣を打ち破ってきた産業が情報産業です。この業種はもともとない新しい産業ということで、慣習にとらわれず様々な人が集まってきました。そのため、インドでは他の産業と比較して情報産業が著しく成長しています。

 

●最近のインドの政治経済的側面

 最近のインドは政治的には、モディ政権が圧勝で二期目に突入しました。この政権の下では、政策金利を押し下げる動きなどにより、より開放的な経済を構築して外資の参入を受け入れています。

 最近の世界経済の懸念事としては、米中の貿易摩擦があると思います。確かに前半の動きではボラティリティが非常に高くなっていました。しかし、最近は米国のハト派的な姿勢のおかげでボラティリティが回復してきまして、値動きも安定してきています。

 最近の為替動向に関しては、年末年始あたりに一度ルピー高から転じて、現在まで円高傾向が続いています。いつまでこの為替の動きが続くかはわかりませんが、現在がルピーに投資をする良い機会ではないでしょうか?

 

●インド経済の今後の展望

 インド経済は今後も人口増加が進むと予想されており、IMFの予想では2030年代までは継続的に人口増加が進むといわれています。さらに、世界的に見るとSDG’sという観点から原油に対する依存度は今後ますます小さくなっていくと考えることができます。さらに、イギリスの植民地であったという歴史から英語を話すことができる人が多いので、インド人は国際的に競争力が高い人が多いと考えることもできます。

 しかし、その一方でインド社会における成長を阻んでしまう懸念材料もあります。それが、識字率の低さと男女間でのジェンダー差が大きいことです。インドは法的には廃止されたとは言え、慣習的にカースト制度が残っています。上位のところにいた人々は英才教育を受けることができ、世界でも非常に活躍している人が多数いる一方で、下位のところにいた人々はいまだに読み書きができない人もたくさんいます。

 また、日本貿易振興機構のレポートによると、インドでは文化的に男性優位の傾向があります。例えば、婚姻時には新婦家族が新郎家族に持参金を用意する風習があるなど、子供としては男の子が望まれる文化がいまだに根付いています。このような傾向から、日本と同等程度の割合の人々が高度な職に就くのには少し時間が掛かりそうです。

 こうした人々の受け皿として、現在では第2次産業が注目されています。インドでは、それまでの第1次産業である農業中心の経済から外資受け入れによって一気に第3次産業を成長させました。しかし、第3次産業は他の産業と比べて、多くの人出を必要としません。そのため、格差の拡大が大きな可能性として考えられます。しかし、歴史的に見ると国全体として成長するうえで最も効率の良い方法は第2次産業の製造業を成長させることです。それによって、中間層を効率よく生み出すことができます。ただ、この安価な労働力を利用するにしてもネックなことが、上記のような識字率の低さとジェンダー差です。

 

 

 今回の内容は以上です。まとめますと、識字率の低さやジェンダー差の改善、第2次産業の成長など課題は山積みですが、優秀な人材が活躍できるサービス産業である第3次産業が非常に発展しているとともに、市場における流動性を確保するための政策金利の引き下げが後押しとなって、中長期的に魅力的な投資先だと考えます。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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