みなさん、こんにちは!
昨日の記事で、米中の貿易摩擦の影響でトランプ大統領が中国を「為替操作国認定」をしたことで、為替が大きく円高に移行し、また株式も大きく下がったという記事を書きました。人民元は世界的に非常に安であると見られており、今後完全な変動相場制に移行することが望まれています。今回は為替としての人民元を見ていこうと思います。
目次
〇固定相場制だった中国
〇管理変動相場制に移行した2005年
〇変動相場制に移行するとどうなるのか?
Contents
〇固定相場制だった中国
日本もそうでしたが、中国も昔固定相場制が採用されていました。日本の場合には1973年に完全に変動相場制に移行しましたが、中国の場合にはまだ完全には変動相場制に移行してはいません。現在の中国の為替レートの相場を見るときには、まさに1970年代の日米の貿易摩擦見ることでわかることが増えてきます。日米の貿易摩擦では、1970年代初めあたりまでは固定相場制で、その時ブレトンウッズ体制のもとレートは1ドル360円で固定でした。しかし、1973年にニクソンショックによりそれまでの体制が崩壊し、為替レートが変動相場制に完全に移行しました。この時、なぜ変動相場制に移行したのかというと、上記でも書きましたが日米の貿易摩擦が過度に進行してしまったからです。実際にその時日本はまだ先進国の仲間入りをしていたわけではなかったので、安い労働力や有利な為替レートを利用して、原材料を輸入して完成品を輸出する加工貿易を行うことで、外貨準備を蓄えていきました。そのため、アメリカが非常に大きな貿易赤字を抱えることとなったのです。そのため、アメリカで日本製品の不買運動が起こったり、日本製品を破壊する運動がおこったりしました。このような状況下で日本は変動相場制への移行を余儀なくされました。
現在の中国もまさにそのような日本と同じような状況になります。時代で言えば1990年代末から2000年代初頭です。この時、中国には安い労働力が非常に潤沢にありました。地理的条件で言えば、わざわざ労働単価の高い日本ではなくて、中国から輸入した方が製品を安く仕入れることができるので、競争力がつきます。またこの時中国は完全に固定相場制でした。その時のレートで言えば、1ドル8.28元でした。このような元安の固定為替レートと潤沢な安価な労働力によって中国経済は大きく成長していきました。しかし、その影響で貿易摩擦が生じるようになっていきました。
〇管理変動相場制に移行した2005年
こういった状況に耐えかねて、人民元が為替変動相場制に移行しました。しかし、日本のように完全に変動相場制に移行したわけではありません。この時に採用されたのが管理変動相場制です。管理変動相場制とは、前営業日の為替レートの終値を基準としてそこからあらかじめ定められた割合でしか変動しないようにすることである。それを採用した当初は、変動幅が0.3%程度でしたが、徐々に変動幅が大きくなっていき、現在では2%になっています。
〇変動相場制に移行するとどうなるのか?
このように段階的に変動相場制になっているのは、最初にも書きましたが米中での貿易摩擦が原因です。特にアメリカは中国に対して、3470億ドルもの貿易赤字を抱えています。また、固定相場制はもともと新興国を支援するための制度で、現在中国は先進国にも比肩するほどの経済力を有しています。そのため、いずれ変動相場制に硫黄するとは考えられるのですが、
さて、それはいつなんだという話です。
米中の貿易摩擦が、問題だと言われていた時でしたら、中国自体の国としての信用力がそこまで高くはないので、すぐには変動相場制には移行しないのではないかと考えられていましたが、現在ではトランプ大統領の「中国為替操作国認定」があります。中国という国が重要な岐路に立たされているのではないでしょうか? もし、ここで変動相場制に完全に移行してしまったら、おそらく中国人民元は大きく安の方向に向かうのではないでしょうか? そのリスクもかなり大きくなっていると考えられます。元建てで資産を保有している人は今のうちに損切りないしは利確をしておいた方がよいのではないでしょうか?
今回の内容は以上です。最後まで読んでいただいてありがとうございます。
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