みなさん、こんにちは!
投資信託を購入する時には、様々な銘柄がありますよね。その中でもバランス型というものを聞いたことはないでしょうか? 実はバランス型の投資信託には二種類あります。リバランス型とアロケーション型です。今回は、その2種類のファンドの違いに関して考えていきます。
Contents
〇リバランスとは
リバランスとは、直訳すると「元のバランスに戻す」ということを言います。これが投資の世界ではどのようなことを指すのでしょうか? 例えば、最初に株式と債券の投資割合を半々で保有し続けると決めたとします。しかし、株式や債券は時間の経過とともに価格が変動します。そのため、保有している口数や株式数は同じであったとしても、それぞれの時価総額は半々の割合からずれていく可能性があります。例えば1年後には債券の価格はあまり変わらなかったけれども、株式が大きく値上がりしたことで、資産配分が株式対債券の時価総額が、7:3になっていたとします。この配分は株式が高くなったので非常に良いことなのですが、当初の投資戦略から考えると大きく乖離しています。そこで、株式を一定数売り、債券を購入するということを行います。そうすることで、株式対債券の割合を1:1に戻します。このように時間経過とともに資産の時価総額の割合が大きく変動したときに元の比率に戻すことをリバランスと言います。
〇アロケーションとは
アロケーションとは、直訳すると「配分」です。この「配分」というのは投資においてはどのようなことを指すのでしょうか? 例えば、ある投資家は今後2~3年で景気が非常に良くなっていくと考えていたとします。その場合、好景気時には株式の価格は上昇しやすく、債券の価格はあまり変化がありません。ということで、株式対債券の投資割合を7:3に決めたとします。そして、実際に運用が始まりました。しかし、1年間は読みが当たり、順調に株式の価格が上がっていきました。しかし、1年経過後その投資家はこう思うようになりました。「1年前今後2~3年は好景気が続くぞと考えたけれども、もう少ししたら反落するのではないか?」と。そこで、その投資家は資産配分を見直すことにしました。相場が下落局面においては、株式の価格は大きく下がる傾向にあり、逆に債券は多少上がる傾向になります。そこで、この投資家は株式と債券の投資割合を2:8にして債券中心で運用するようにしました。このように、その時々の経済情勢に応じて資産配分を当初決めた配分とは全く無関係に決定することをアロケーションと言います。
〇リバランスとアロケーションのメリット、デメリット
●リバランスのメリット
・その時々の経済情勢に左右されることなく、機械的に行うことができる
・今後が不透明な場合でも継続して行うことで利益を上げられる可能性が高い
●アロケーションのメリット
・経済情勢に応じて資産配分を決定するので、大きな収益が期待できる
・不況期でも大きな値下がりをせずに守ることができる
●リバランスのデメリット
・大きな収益を狙いにくい
・頻繁にリバランスを行うとその手数料で大きな損失につながる
●アロケーションのデメリット
・経済予測を外した時に、大きな損を被る可能性がある
・その時々の投資家心理に非常に影響を受けやすい
バランスファンドの中でも、そのファンドがリバランス型なのかアロケーション型のファンドなのかということを見抜く方法を簡単です。「〇資産均等」とファンド名に入っていた場合にはリバランス型です。そしてアロケーション型はそう言った表記は特に入っていないですが、目論見書の中に「資産配分を変更する」ということに関係する文言が入っていればアロケーション型です。
〇まとめ
リバランス型とアロケーション型、どちらも長所短所がありどちらいいとか悪いとかはありません。強いて言うのであれば、リバランス型は、「この先どの資産が上がるか下がるかわからないから全部同じ割合で持っておこうという考え方と、結局すべての資産は個別では違うかもしれないが、総合的に見るとずっと下がり続けるものもずっと上がり続けるものもないので、割合が下がったときにたくさん買える仕組みを作っておけば、上がったときに大きく儲けられるよねという考え方」の二つで動いています。
逆にアロケーション型は、「今までの相場を観察すると、好況不況それぞれで資産の価格の変動の仕方に傾向があるよね。今後もそれが続くと思うから、それに倣って投資をしようという考え方と、それはいつ起きるのか歴史的に考えてみよう」という二つの考え方で動いています。
リバランス型は、分からないから戦略を事前に決めて、その通りに行いましょうというファンドであるのに対して、アロケーション型はしっかり調査を行い今後の経済の見通しを立て、その時々の情勢に応じて臨機応変に運用していきましょうというファンドです。このことから何がわかるのかというと、アロケーション型のほうが、リバランス型よりも運用のための管理費用(信託報酬)が大きくかかってしまうということです。その一方で、アロケーション型ファンドの中には安定運用を目指したファンドがあります。このようなファンドの場合にはリスクはかなり小さく抑えられたうえで、一定の収益も期待できるものもあります。
今回の内容は以上です。安定的に運用したうえである程度の収益を期待したいときにバランス型の投資信託を選択することが非常に有効ですが、このようにバランス型には2種類の投資信託があります。あなたはどちらの方が好みですか? ここの選択は本当に好みで決めることが最も健全な選択ではないでしょうか?
ちなみに、私はリバランス型派です。長期運用ほど運用は機械的に行った方が成功しやすいと思うので。
コメントを残す