答えだけを知っていることの危うさ  ~アクティブファンドについて~

みなさん、こんにちは! マネーの育成術へようこそ!
この記事を開いてくれてありがとうございます。

 

コロナウイルスによって、株式市場が暴落を期してから、証券口座を開設するという方々非常に多くなっているということを聞きました。そのため、SNSなどで資産運用をあおるような発言をする方々多くいますね。まあ、私もその一人なのですが、資産運用はしないよりもした方が良いというのが、私の意見であることは変わりありません。

さて、そういった発言を見ている中で、以下のような発言がよく見受けられるのですが、私はこの発言に対して少し不安なところがあります。

 

「投資信託はインデックスファンドに限る。アクティブファンドは頻繁に売買を繰り返すために、信託報酬が高くなってしまい、その手数料分が元本を逼迫してしまい、インデックスファンドに負けてしまう。だから、投信での運用はインデックス運用に限る。」

 

私は、この発言は少し危険であると考えます。

もちろん、アクティブファンドの方が良いと言っているわけではありません。結論自体には大いに賛成です。むしろ、アクティブファンドでの運用は投資初心者はやってはいけないとすら思っています。

しかし、彼らの発言はなぜアクティブファンドの運用を行ってはいけないのかということを、正確に話していないのです。私はこの点が非常に懸念事項なのです。

 

ここには、

「答えだけを知っていることの危険性」

が潜んでいます。

 

今回の記事では、問題をシンプルにするために、アクティブファンドの定義というものを、このように定めます。

「ベンチマークとなる指数に従った運用成果を出さない投資信託」

 

それでは本題に入りましょう。上記の発言の何が間違っているのかということを説明していきましょう。
間違った認識は全部で3つあります。

 

①「アクティブファンドは頻繁に売買を繰り返す」という誤解

様々な発言を見ていると、アクティブファンドは頻繁に売買を繰り返すということを言っている人がいますが、それは大きな間違いです。もちろん、頻繁に銘柄入替するようなアクティブファンドもありますが、それは氷山の一角でしかありません。大体の投資信託は基本的には長期保有を前提としており、頻繁な売買は行いません。
そもそもアクティブ運用という言葉を皆さんは理解しているでしょうか? 下の説明は、JPモルガンアセットマネジメントのページで書かれている説明です。ご覧ください。

 パッシブ運用とは、市場全体の値動き(指数の値動き)と同様の投資成果を目指す運用です。例えばTOPIXをベンチマークとするインデックス・ファンドであれば、TOPIX(東証株価指数)と同じ投資成果(=東証一部に上場する約2,000銘柄すべてに投資した場合と同じ投資成果)が期待されます。それに対して、アクティブ運用は、株価の上昇が期待される銘柄を厳選して投資する運用手法です

ここに書かれている通り、アクティブ運用とはただ単に上昇しそうな銘柄を厳選して投資をするというだけで、頻繁に売買を行うというわけではありません。

 

②「手数料が高いのは、頻繁に売買をするからである」という誤解

上記でアクティブファンドは、頻繁に売買を繰り返すものではないということ書きましたが、では、なぜ手数料が高いのでしょうか? それは、ファンドマネージャーによる銘柄選定の手間があるからです。ここでファンドマネージャーがどのような仕事をしているのか、少しだけ紹介します。

アクティブファンドのファンドマネージャーと言っても様々な投資信託があるので、ここで説明するファンドマネージャーは以下の2タイプ、パッシブ運用型とアクティブ運用型のファンドマネージャーの2つのタイプを紹介します。パッシブ運用のファンドマネージャーの仕事はシンプルです。運用しているファンドがベンチマークとなる指数に連動させることが仕事になります。

逆に、アクティブファンドのファンドマネージャーは常に上昇しそうな銘柄を探しているわけですが、これは何も机上の財務分析だけに終始するものではありません。実際に経営者と話をしたり、様々な人々からの情報収集をしていく中で、どこの企業が今後成長していくかなどを見極めます。

このような銘柄選定の手間が信託報酬という形になって、現れてくるのです。

 

③「アクティブファンドが総じて市場平均に負けるのは手数料が原因である」という誤解

これまでアクティファンドの手数料が高いのは頻繁に売買するからではなく、銘柄選定の手間がかかるからであるということを書いたわけですが、しかし、実際にアクティブファンドは市場平均に負けることが多いです。なぜなのでしょうか?
結構これは単純です。こういった運用資産にはどんなに良い銘柄でも良い時もあれば悪い時もあります。銘柄厳選することで、リスクを必要以上に取ってしまったり、銘柄を特定テーマに集中することでリスクが偏ってしまうことが一番の原因です。
だから、リスクを幅広くとって、どんなときにも平均的な結果を生み出すことができるパッシブ運用には、勝てないのです。

 

 

以上が、アクティブファンドについて、多くの方が誤解していることです。

さて、ここまで誤解に関して説明してきましたが、「だから何?」と考える人もいるかもしれません。

 

<結論>

以上を踏まえたうえでの私の結論を話します。SNSなどで個別株でガチホだと言って運用をしている人がいますが、それは結局すべてアクティブ運用であるということに皆さんに気づいてほしいのです。こういったアクティブ運用は計画的に行わないと非常に危険です。なぜなら、個別株では必要以上にリスクを負う可能性が高いからです。これは、アクティブファンドはダメであるという答えだけを知っていて、何故ダメなのかということを理解していないことの典型例であると思います。
また、一般的に企業の寿命というものは、人間の寿命よりもまたさらに短いものです。簡単に永久保有とか言えるものではありません。皆さんが個別株に投資をした理由はしっかりとした理由がありますか? なぜその銘柄に投資をしたのかしっかり説明できますか? 私はもともと個別株投資をしていたのですが、いろいろ勉強していく中で無理だと感じたので、インデックス投資にすべてを切り替えました。そちらの方が、精神衛生上よいということがわかりましたし、何より個別株とは全く違うことがあります。指数は常に銘柄組み換えが発生してきます。最近アメリカでもそういうニュースがありましたね。NYダウは、ファイザー、エクソン、レイセオンがでて、セールスフォースを含む他2社が新たにNYダウに採用されました。また、S&P500については、テスラがそこで採用されるかというところでしたが、採用を見送られ、急落しています。
個別株はライフサイクルにのっとり、必ずどこかで衰退の一途をたどることになりますが、株価指数は証券取引所がある限り永久に不滅です。

だから、ほったらかしができる。だから気付いたときに資産が倍になっている。

 

今回の内容は以上です。最後まで読んでくれてありがとうございます。
Twitter(@szkryhiichioku)をしているので、フォローしてもらえれば更新を見逃しません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です