REITとは何か? 不動産に投資をする投資信託ですか?

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さて、今回の記事ではREITについて書いていきます。

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REITとは不動産に投資をする投資信託

REITとは、投資信託の一種です。よくある投資信託は株式かあるいは債券に投資をします。一方でこのREITという投資信託は不動産で運用をします。通常不動産投資をする場合には、マンションや商業施設を丸ごと保有しなければできないものでしたが、その所有権を小口化、そして、証券化をすることによって、だれでも簡単に不動産投資ができるようになり、そして、誰でも簡単に売買できるようになりました。

このREITという投資信託は、不動産で運用を行うということでしたが、実際に含まれている不動産にはどのようなものがあるのでしょうか? ここに含まれている不動産は、住宅やマンションのみではありません。もちろん、こうした不動産も含まれていますが、それは氷山の一角です。実際には多岐にわたり、ショッピングモールなどの商業施設や、空港などのインフラ設備、そして、工場などの工業設備が含まれています。



 

REITは株式以上にリスキーなアセットクラスである

このように投資対象が多岐にわたるREITですが、リスクリターンはどのような関係なのでしょうか? 一般的に株式はハイリスクハイリターンで、債券はローリスクローリターン、そして、REITはミドルリスクミドルリターンであると言われることが多いですが、それは実際にはどうなのでしょうか?
結論から言いましょう。REITは株式以上にハイリスクハイリターンな投資対象です。なぜそのように考えることができるのか? その根拠は主に3つあります。

①REITは不動産投資ではなく、REITで運用を行う不動産投資法人への投資である。
②不動産投資法人の資金調達は、デットとエクイティの2種類がある。
③不動産は景気敏感セクターである。

REITは不動産に投資をするということを書きましたが、不動産は明らかに景気敏感セクターです。景気が良い時にはその値がどんどん上がっていきますが、景気が悪くなると不動産は価格が上がらくなります。同じようにハイリスクハイリターンな投資対象である株式で、例えばTOPIXやS&P500などのような株価指数は、確かに株というリスク性の資産のみで構成されていますが、その裏にある価格変動の要因ということに関して言うと、REITと比べると様々な点に分散がされています。しかし、REITは不動産のみで運用を行うために、思っているよう異常にリスクが高いです。

そして、REITは不動産投資法人へ投資をすることによって利益を得ます。つまり、REITという投資信託を保有しているときに定期的得られる分配金というものは、一般法人の株式で運用を行う時の配当に似ています。もちろん、厳密には全然違いますが、、、(笑)。そして、法人への投資ということで、その法人が事業を行うためには資金が必要ですが、その資金調達は、投資家によるエクイティの資金調達のみではありません。この不動産投資法人は、エクイティによる資金調達以外にも、銀行からの借り入れによる資金調達を行っています。この調達した資金をもとに運用を行うので、財務レバレッジがかかります。なので、その分REITの価格に対する変動の仕方は大きくなります。

下の図を見てください。投資家が投資をするのは、下図の赤丸の部分であり、この資金をもとにして、総資産を動かすのです。つまり、自己資本に対する総資産の割合が大きければ大きいほどリスキーに投資先になるということです。

以上のような理由から、REITは株式よりもリスクが高くなりがちであるということです。

 

REITが優れているのはその税制からである。

このようにREITは株式よりもリスクが高いということがありますが、良いところもあります。不動産投資信託は、通常の株式型の投資信託よりも高い利回りが期待できるという説明をされることがあります。もちろん、そこには理由があります。REITという投資法人の場合には、収益の90%以上を分配金として投資家に支払うことで、収益が非課税になるという制度があります。そのため、不動産投資法人には、収益を内部留保に回して、再投資に回すというインセンティブは一般法人よりもさらに低くなります。そのため、株式型の投資信託よりも利回りが択なる傾向があるのです。

そして、この収益の90%以上を分配金として支払うことで非課税になるという制度は、別の点での特徴を作ります。先ほども書きましたが、収益をキャッシュとして排出してしまうREITなので、収益を内部留保に回して再投資に回すということはしません。一方で、REITは定期的に投資対象となる不動産を組み替えます。しかし、以上のような制度から、投資法人としては、今後高いキャッシュフローを生む可能性のある不動産を価格が低いうちに保有しておくというよりかは、割高でもよいから高いキャッシュフローを生む不動産を保有しようとします。
これは必ずしも悪いことではありません。確かに、割高でも大きなキャッシュフローを生む不動産で運用されている場合、近い将来その不動産の価値が下落して、解約する時に元本が割れている可能性もあるかもしれません。ただ、資産運用には様々な目的があります。大きく分けると配当狙いと値上がり益狙いですが、REITは特性上、値上がり益狙いではなく配当収入に向く商品です。もちろん、短期の値上がり益重視という点では、REITもかなり優良な投資対象となる場合もありますが、タイミング的には非常に難しいです。そして、中長期で資産運用を行う場合には、REITは非常に適していると思います。

 

REIT市場の今後の動向について

REITにはこのような特徴がありますが、現状(2020年7月)はREIT市場はどうでしょう。上記で、REITは景気敏感セクターで、景気の良しあしに大きく左右されやすいことを書きました。現在はコロナウイルスの感染拡大第2波が懸念されており、この記事を書いている7月11日の週には、東京都で観測史上最多の新規感染者数を記録しました。このような中で、経済情勢は悪くなるばかりです。IT技術の発達によって、業務上の様々な革新を迫られ、リモートワーク、在宅ワークが今後も非常に伸びてくる市場であると思います。そのような中で、中小企業の中にはリモートワークができるということでオフィスを解約するところも出てきているようです。このような点から不動産市場における今後期待感は少しずつではありますが薄れていっているのではないでしょうか? もちろん、不動産市場には住宅市場も含まれており、最近の住宅関連指標は良いものを記録していますが、住宅関連の市場は不動産市場全体の氷山の一角にすぎません。不動産市場全体で考えた時には今後良い成果を上げられると考えることは難しいのではないでしょうか?



 

今回の内容は以上です。最後まで読んでくれてありがとうございます。
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