みなさん、こんにちは! マネーの育成術へようこそ!
この記事を開いてくれてありがとうございます。
さて、今回の記事では、様々な金融市場がある中で、かなりニッチな市場に関して紹介していこうと思います。
その市場がクレジット市場です。
クレジット市場とはどのような市場なのでしょうか?
それは企業の信用力に投資をする市場です。
Contents
信用力とは何か?
企業が約束された通り債務を返済したり、約束された通り利払いをしたりできるかどうかのことを指します。
デフォルトという言葉を聞いたことがあると思いますが、デフォルトとは、本来企業が約束通り借金を返済できないことや利払いを行うことができないことを指します。
だからこそ、信用リスクはデフォルトリスクとも言われています。
さて、今回の記事では、このクレジット市場における有価証券の種類とその特徴、そして、この市場におけるリスクを紹介していこうと思います。
まずは、クレジット市場に関する理解を深める前にこれだけは理解しておかなければならない用語というものがあります。
それが、弁済順位です。
クレジット市場を理解するキーワード ”弁済順位”とは?
弁済順位とは、企業がもし倒産してしまったときに、その債務に関して返済する優先順位のことを指します。つまり、企業が倒産してしまったときに、そこに抱えている債務に関して好き好みで選んで返済することができるわけではなく、必ず優先順位がありその順番に返済していかなければならない、ということです。
そして、その優先順位とは、
①有担保債務
②無担保債務
③劣後債
④株式
という順番があり、有担保債務が一番優先順位が高く、株式が一番優先順位が低いということを指しています。
弁済順位という考え方がどのように役立つか、それは、それぞれの債券のリスクとリターンの関係を見ていくのに役立ちます。
つまり、大まかなフレームワークを言ってしまうと、弁済順位が高ければリスクは低いけれども、リターンも低くなる一方で、弁済順位が低い場合にはリターンが高くなるけれどもリスクも高くなるということです。
このように債務に応じてリスクとリターンが変わってくるわけですが、クレジット市場における共通して、大きなリスクが2つあります。それが信用リスクと流動性リスクです。
・信用リスクに関しては、上記にある通り、約束された通り利払いや返済が行われないことです。そして、それは今までの傾向を見ると、政策金利が大きく上昇しているときにそのような信用リスクが大きくなることがわかっています。
・次に流動性リスクですが、このリスクは市場規模が小さい場合や市場が混乱しているときに以下のようなことが起こるリスクです。
①換金したいのに買い手がおらず換金できないこと
②換金したいが需要が小さいために、一部しか換金できないこと
③換金をしたいが需要が小さいために、大幅な値引きをしなければ換金できないこと
このようなことが起こるリスクを流動性リスクと言います。そして、クレジット市場は市場規模が著しく小さいために、このようなことが起きる可能性が他の市場よりも高いのです。
様々な有価証券
このようなリスクや弁済順位がある有価証券には代表的なものとして以下の2つのものがあります。
1、バンクローン
バンクローンとは何なのか? バンクローンとは銀行が企業向け貸し付けた債権を証券化して、投資家に購入してもらう商品です。債権であるので、貸付先がデフォルトしない限りにおいては、定期的な利息収入と返済期限における額面での返済は保証されています。そして、この債権の中身も有担保債務で運用されていることが多いので、比較的リスクが低いことは間違いないです。しかし、その貸付先は格付けが非常に低い場合が多いです。なので、利回りが高くなる一方で、債権としてリスクは高くなってしまう可能性があります。
2、ハイブリット証券
ハイブリット証券とは何なのか? ハイブリット証券とは、簡単に説明すると、株式と債券両方の性質を持った有価証券のことを指します。
このハイブリット証券にはひとくくりにすると、このような性質がありますが、その中には様々な有価証券があります。
1、転換社債
転換社債とは、どういうものなのかというと、通常は債券としての性格を持っています。定期的な利息を受け取ることができる一方で、満期時には額面で償還されるという性格があります。しかし、転換社債の特徴として、いつでも投資家の意思で株式に転換することができるということです。
そして、この債券を株式に転換するべきかどうかを判断する基準の一つとして、パリティ価格というものがあります。パリティ価格は、株式の価格と転換社債の価格を比較してどちらが大きいかというものをはじき出す指標です。
2、CoCo債
CoCo債とはどのような債券なのかというと、通常は債券としての性格を有していますが、所定の条件が達成された場合に投資家の意思に関係なく、自動的に株式に転換される債券ことです。
この所定の条件ですが、様々なものあり、例えば、企業の自己資本比率が一定の割合を下回ったときというものがあります。
まとめ
このようにクレジット市場には様々なものがありますが、結論としてこのような市場で運用を行うことは良いのかということですが、私はお勧めできません。というのも、個人投資家における運用という場合には、入手することができる情報という点でも情報を読み解くうえでの技術という点でも、機関投資家と個人投資家の間では大きな非対称性があるからです。それはこういったクレジット市場だけではなく、一般の株式市場においてもです。また、クレジット市場は一般的な株式市場と比べると市場規模が非常に小さいです。なので、一人一人の投資家がとる行動の影響力が他の市場と比べると、比較的大きくなります。そのため、市場が順調に行っているときには良いですが、リーマンショックやコロナショックのように市場が混乱したり、大きく弱気相場に入っているときには、下落圧力が非常に強く、その後の市場の回復において、下落分を取り戻すのは難しい可能性があります。
なので、個人投資家として運用をしていくのであれば、まずは株式市場といったメジャーな市場で取引を行うという選択肢が残っているというのに、わざわざニッチなクレジット市場で運用を行うというのは非常に愚かな選択肢ではないかと考えています。
今回の内容は以上です。最後まで読んでくれてありがとうございます。
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