株安の一方、ビットコイン高! 政治から読み解く2つの指数

みなさん、こんにちは!

 今日のニュースはご覧いただいていますか? 株価に関するもので衝撃的なものがありましたよね。米国のNYダウが767ドル下がるという今年最大の下げが観測されました。円ドル相場でも、一時的に105円まで円高が進んだものの、その後106円まで戻りました。この動きは、急に来ましたが、少し前くらいから徐々に起きていました。しかし、その背後で大きく値上がりしている資産があります。それが仮想通貨です。ビットコインは、NYダウが過去最高高値を更新した7月11日に1ビットコイン135万円を記録しましたが、そこから少しずつ下がり始め、FOMCが開催される直前の7月28日には102万円まで下がりました。しかし、そこから大きく上昇し、8月6日今日時点で125万円まで上昇しました。

今回の記事の内容は、この株が下がる一方で、ビットコインが上がるという動きは今後とも続くのであろうか? という内容です。

結論から書きます。

私は、あと1、2回は同じような動きが続くと思います。

 その根拠を書く前にまずは、現状の分析をしていきます。今回の状況を分析をするときに主な材料になる事柄は、2つあります。「トランプ大統領の利下げ圧力」、「米中の貿易摩擦」です。
 通常、利下げ圧力が強まると、その通貨は安になります。今回も円ドルレートで言えば、FOMCでの利下げが濃厚になってきた、6月中旬くらいから徐々に徐々に円高ドル安の動きが強いです。実際に、6月初旬くらいでは1ドル108円前後のものが今では1ドル106円まで下がっています。そういう意味では、このような動きは投資関係に関する本を見ていても、よく記載されている内容です。
 しかし、今回平均的な動きと違うと感じたのは、その為替レートの動き方と株の値動きです。一般的に、利下げ圧力が強まると、為替レートは徐々に下がっていきますが、今回は一気に下がり、一時的に1ドル105円を記録し、その後106円まで回復しました。また、株価の動きに関しても、通常利下げの圧力が強まると、株価は上昇しやすいものですが、今回は上がるどころか下がってしまっています。確かに、利下げ圧力が強まっていた6月末から7月上旬くらいまでは、利下げ圧力の結果株価は上昇し、3日連続でNYダウが過去最高高値を更新しました。しかし、今日のニュースにある通り、FOMCが開催されて、今日今年最大の下げ幅を記録しました。

 では、なぜここまで為替は急激に円高になってしまい、株価も大きく下がってしまったのでしょか? それは「米中の貿易摩擦」です。特に今日のトランプ大統領の発言は衝撃的でした。それは「中国の為替操作国認定」です。中国は安く潤沢な労働力を使って工業品を輸出することによって、台頭してきた国です。そのため、少し前の日本のようにできる限り自国通貨安のほうが市場で競争することで非常に有利に戦うことができます。そして、アメリカは中国との貿易における輸入品に対して高い関税をかけるようになりました。そこで中国も報復として、米国からの農作物の輸入を停止しました。この動きを受けて、トランプ大統領は中国を為替操作国認定をしました。それで急激に円高ドル安が進んでいきました。

 しかし、為替の動きでは一つ注意しなければなりません。ここで円高ドル安になったとは言え、アメリカ人が円を買っているわけではありません。日本人がもともと米ドル建てで持っていた資産を円建てに戻した。この動きによって円高が大きく進んだということです。アメリカ人は自国通貨が基軸通貨のためにわざわざほかの通貨で資産を保有するということはめったにしないので、円転したのはあくまで日本人投資家が持っていたドル建ての金融資産のみであると考えても差し支えないでしょう。
 また、今回の下げにおいてはアップルやグーグルなどのような株式が大暴落しました。人民元が安になったことで、ハードウェアの価格が相対的に安くなり、魅力度が増したからであると考えられ、また、グローバル化が進んだために、ソフトは米国で作り、ハードは中国で作るという分業が生まれました。このような分業の大きく進んでしまったために、為替の影響は非常に大きく受けるようになりました。

 このように、ドル建ての金融資産が円転したとはいえ、日本円での魅力的な投資先は少ないです。そう言った人々はいったいどこに金融資産を持つようになったのでしょうか?

 そこでやっと仮想通貨につながります。仮想通貨は短い歴史の中でいくつかわかっていることがあります。それは、株式の上昇局面においては仮想通貨も上昇しやすいという側面がある一方で、株式が下落局面においては相関性がなくなるということがわかっています。そのため、株式と同じように下がる可能性もある一方で、株価とは反対の動きをする可能性もありました。そのため、トランプの「中国為替操作国認定」の発言によって、米ドルにも日本円にも運用資産を持ちたくないという人によって仮想通貨ビットコインにお金が流入したのではないかと考えられます。

 しかし、注意点が必要です。今回は確かに、米国株安とビットコイン高が同時に進みましたが、次も同じような動きが続くとも限らないです。有効な投資法というのは陳腐化します。つまり、株が下がるとビットコインが上昇するという動きが一般的になると、その値動きを狙って、いわゆるヘッジファンドなどが株が下がりそうになるちょっと前にビットコインを大量の保有して、実際に株が下がり、ビットコインが急激に上がったときに利確をすることで、個人投資家は結局高値をつかまされて、下がったときに換金するということもあり得ます。実際に、金投資もそのような動きをたどっています。20世紀末あたりまでは何かあったときの安全資産としての金が非常に効果的でしたが、その動きが一般的になると機関投資家が株が下がりそうになると、金を大量購入して、実際に株が下がると金が上がり、そこで大量売却することで、大きく値下がりをしてしまう。そのため、金も結局株式との相関性が強い資産になってしまっています。

 それでも、上記のような株とビットコインの値動きの関係性はあと1,2回は続くのではないでしょうか?

今回の内容は以上です。面白いと思っていただけましたら、ぜひ下の購読ボタンを押してください。投稿の励みになります。